名前N
所属大学病院
診療科リハビリテーション科
障害の内容先天性進行性筋疾患
障害の発生時期医学部入学以前
これまでの経緯
3歳の時に血液検査でCK(筋損傷の指標)が高く、筋疾患が疑われた。小学生の時にポンペ病(糖原病Ⅱ型)と確定診断された。ポンペ病は全身の筋力が低下するが、私の症状は主に下肢だった。小学校へ説明し、教室を1階に配置してもらった。筋疲労により進行が早まるため、体育、持久走、運動会は見学した。…(「詳細情報を見る」へ)
医師として働く上での工夫や配慮
病院内は必然的にバリアフリーのため、移動やトイレで不便を感じることがない。運動不足は廃用症候群につながるため、自分用のデスクは電動スタンディングデスクにし、立ってカルテ入力している。筋力テストやベッド上診察などは、近くにいる療法士や看護師に声をかけ一緒に診察するようにしている。
私の担当する患者が私の体力不足により不利益を被ることがないよう、こまめに上司へ報告・相談している。業務量がキャパオーバーになりそうなときは「新規受け入れ困難」と上司へ伝え、診療が疎かにならないよう担当患者数を調整している。
医師を目指す方や医師を続けることに不安を感じている方へのメッセージ
まずは見切り発車でもいいので医師を目指してみてもいいのかなと思います。私が大事にしていることは、決して自分の体調を犠牲にしないことです。私にとって一番大変だったことは、障害を抱えて生活することではなく、周囲へ自分を知ってもらうこと、無理せず社会参加できるよう関係各所へ赴き準備と根回しをすることでした。前例のないことは非常に面倒ですが、事前に何をしてもらいたいか・何ができないかを明確化しておくと、周囲も受け入れ体制を準備し、親身に動いてくれます。わがままにならないよう、常に相手の状況に配慮し、感謝の気持ちを忘れないようにしています。
医師は色々な働き方の選択肢があるため、それぞれのライフステージ、体調に合う働き方も見つかるはずです。私も紆余曲折ありましたが、この道を選んで良かったなと思っています。