Doctor's Network

"夢をつなぐ" Doctor's Network

radiologist

名前radiologist
所属公的病院
診療科放射線診断科
障害の内容脊髄損傷(胸髄)による両下肢機能障害
障害の発生時期医師になってから

これまでの経緯

私は受傷前は外科医でしたが、自転車で走行中の交通事故により脊髄損傷となり、外科医として勤務を継続することは断念せざるを得ませんでした。ただ、なんとか医療現場へ早く復帰したかったので、それがリハビリのモチベーションとなり、幸いなことに外科医時代にお世話になった先生方から画像診断医としての復帰の道を提案していただき、受傷後10ヶ月で医療現場に復帰しました。新たに画像診断医としてのトレーニングが必要でしたが、受傷までの外科医としての経験や放射線科ローテーションの経験があり、すんなりと現場に入ることができたので、仕事に関してはそれほど苦労はありませんでした。職員駐車場の確保などの配慮はしていただきましたが、そのほか職場環境に関して特別な工夫は必要なかったです。復帰当時は外傷後疼痛に悩まされ多量の服薬をしていましたが、仕事を始めてから業務に集中することで不思議と疼痛も改善し、6ヶ月ほどで服薬も不要となりました。私は縁があり画像診断医を選択しましたが、外科医をサポートする形で間接的に診療に貢献できている実感もあり、その選択は間違っていなかったと思っています。

医師として働く上での工夫や配慮

当直業務や、造影剤などを注入するための患者さんへの注射業務は免除させていただいています。画像診断医は基本的にはデスクワークであり、その他の工夫や配慮はしていません。臨床医とのカンファレンスにも参加していますし、普通の健常の先生と同じフィールドで医療に携わっています。2年間の米国留学の機会もいただき、国際学会にも毎年参加しています。そのように勤務に集中できる環境を頂いているのは、同僚や上司の先生方の理解のおかげだと思っていますので、常に感謝の念は忘れないようにしています。また、ソファーベッドを設置した休憩場所がありますので、長時間の座位で褥瘡を作らないように、時々車椅子から降りるように心がけています。

医師を目指す方や医師を続けることに不安を感じている方へのメッセージ

医療や学問の分野は物理的にも考え方でも他の分野以上にバリアフリーです。医療の知識、経験が生かされる場所は必ずあり、全力で仕事できる環境もたくさんあります。たまには迷惑をかけることもあるかもしれないですが、細かいことを気にしていては充実した仕事はできないので、よい意味で「なんとかなる」と割り切り、仕事を始めてみることが重要だと思います。